日本の研究は、1990年代に入って変わり始めました。
グローバル化によって生まれるパワーが世界の研究を変えている

学術研究の現在状況

現代世界では、地理的な境界線によって、孤立して活動する分野は存在していないと言っていいでしょう。研究分野についても、インターネットと電子メールの登場によって国境はなくなりました。事実、数年前から、科学や人文、芸術などの分野で、世界中で共同研究が増え始めて、グローバルにインパクトを与えています。アメリカ国立科学財団のレポートによると、1990年代に6,477の国際的な研究団体が新規に設立されましたが、2000年代に入って設立された団体数と比べるとほんの一部にすぎません。

これは、 グローバル化と国際化によって生まれるパワーが、世界の研究を変えているということを示しています。従来の孤立した日本の研究は、1990年代に入って変わり始めました。結果的に、日本はアメリカに次いで、世界におけるR&D投資額の13%を占める世界第2位の国になったのです。このことが達成できた大きな理由の一つは、日本の急速な工業化が挙げられます。

一方で、この日本の工業化に大きく貢献した人材は、学術研究機関出身の者たちです。よって、ここ十数年で、日本の大学のグローバル化を促進するための努力が行われてきました。

しかし、今現在では日本における学術のグローバル化は進んでいるでしょうか?
そして、その問題と解決方法は・・・?